中野豪雄さん|インフォグラフィックスとリフレーミング

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今回のブログは大学の授業についてのブログです。これからも毎週多彩な講師の方に来ていただく、大学院特別講義[リフレーミング]の授業を聞いてのメモや、自分の感想などを書いていきます。

第9回目の先生は、中野デザイン事務所代表の中野豪雄さん。

中野豪雄|なかの・たけお

1996年武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科入学。在学中、身体性に深く関わる書物の構造に惹かれ、製本、印刷、タイポグラフィーなど、書物形成における理論と実践を学び、卒業制作にて書物の歴史的変遷と分布の視覚化を研究する。
2001年武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科卒業後、株式会社勝井デザイン事務所に入社。
2005年フリーランスとして活動開始。
2011年株式会社中野デザイン事務所設立。
NAKANO DESIGN OFFICE | ABOUT | 中野 豪雄

中野さん、世界を変えるデザイン展の会場に貼ってあったインフォグラフィックスを手がけていたと知って驚きました。見に行った時に、その中の展示物よりそのインフォグラフィックスの前で立ち止まって「この国、携帯電話持ちすぎだな」とか、「中国すごいな……」とか話していたので、強烈に印象に残っていました。

建築雑誌2012-2013

日本建築学会の学会誌で、建築に関わる様々な領域に属する会員が購読している「建築雑誌」。 1887年創刊、今年で127年目・1645号を数える長寿雑誌。

この「建築雑誌」2年毎に編集長とデザイナーが入れ替わるのだそうです。中野さんが担当したのは、2012-2013。
つまり震災以後。編集方針は、数十年経った際に重要な資料になるという覚悟で「災害」をテーマとすることを決定したそうです。
災害を言葉だけのイメージで捉えるのではなく、そこから派生する復興、資源、政治、産業、歴史など、様々な文脈を毎号特集化して議論を積み重ねていくことが重要な視点だったと仰っていました。

毎号表紙にはインフォグラフィックスを採用していて、表紙と記事とが内容を補完しあうような内容にしたそうです。
表紙は「読むもの」であり、表紙を「独立した記事」と捉えてデザイン。

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例えばこの表紙は、時間軸は160年で、戦前戦後、高度経済成長、近年などの大きいスパンでみることができる。
円の大きさは被害者数で、グレーは地震による被害者数、白は火災などによる被害者数。

1847年から戦争直後までは震災が多発している時期で、160年のスケールで見ると、戦争直後から現在まで震災がほぼ起きていない時期が異質に見える。

さらに、関東大震災東日本大震災の比較が出来る。

情報を減らして伝えるのではなく、増やすことによって相互の関係性を読み取ってもらう。
「いろんな視点で見ていく」ということを読者にも自分から発見していってもらう。
問題を発見してもらうためのインフォグラフィックスを表紙で提供していることについて感銘を受けました。

「分かる」ことの本質とは?

見る側が能動的にその文脈に関わろうとする

  • 現代の情報環境にたいするいくつかの疑問点
    • 「わかったつもり」になることで、情報への意識が停滞する
    • それ以上のことを考えていかない
    • 向上する発信のリテラシー、低下する受信のリテラシー
    • 情報を発信することに対して、受信者のリテラシーが向上していないのではないか
  • 平時には見えない、情報の受動性
    • 風評
    • 情報を発信できることの面白さに対して、発進された後の情報がどう受け取られていくか

当たり前のことを当たり前でないものとしてみること、本質的なコミュニケーションを求めること。